親友の母の急死を受けて始まったこの企画だけど、今一度このイベントを主催する意味を考えてみる。参加者やお客さんの中には、家庭崩壊してしまっている人、幼い頃に死別してしまっている人など家族からの愛を十分に受けてこなかった人もいる。だからこのエピソードは自分とは関係ないと思ってしまうかもしれない。

しかし僕たちがこの世に生まれてこれたのは紛れもなく自分から遡ったご先祖さま達のおかげでそのご先祖さまは周りにいる人をはじめ大地や水、太陽、身の回りに生きる緑や動物達もっと言えば空気や目に見えないもの達の恩恵を受けて僕たち世代まで命を繋いできた。両親という存在は、自分の一番近くのご先祖さまなだけ。その上にもその上にもたくさん感謝を届ける先はある。

これらを再認識し、全てに感謝をするということが生きるということのスタート地点なのかもしれない。
目に見える物質の価値にとらわれて欠乏感や不足感に飲み込まれるより先にこの体に宿る命を味わうことから始めよう。僕たち人間のほとんどは生まれてきた瞬間から目は見えるし音が聞けて声も出せて手足を動かせる。考えてみれば本当はすごくありがたいことであるはずなのにそれが当たり前の感覚になっている。

初めて立って、歩くことができた時の喜びや初めて言葉を発した時の感覚や景色なんてもう忘れてしまっている。いま空気があって呼吸ができていることすらも、「当たり前」だけど実は「ありがたい」んだ。こういう一つひとつのありがたみを見つけることは生きている喜びに気付くこと。その感謝を全身で表現しよう。歌に乗せて分かち合おう。それが僕らの生き様となり、大切な人たちに届くから。

そんなメッセージを込めて、
僕はこのイベントを続けることにした。

Jenes-Dancer/Organizer-

杜の都・仙台生まれ、18歳で上京。
大学サークルにてダンスを始める。
巧みな脚技を持ち味に国内外問わず様々な大会に出場し、世界を舞台に複数のタイトルを獲得し続ける一方で、CMやPV、テーマパークダンサー、プロモーションダンサーなどの出演や振り付け・演出を手がける。他にも世界大会バトルゲストや国内外のバトル審査員、インストラクターなど多方面に幅広く活躍。世界最大ダンスバトル【Juste Debout】最後の日本代表。

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